おみおくりの作法

yoko**

2015年02月19日 17:10



2013/イギリス・イタリア
監督:ウベルト・パゾリーニ
出演:エディ・マーサン、ジョアンヌ・フロガット、カレン・ドルーリー、アンドリュー・バカン、キアラン・マッキンタイア、ニール・ディスーザ、ポール・アンダーソン、ティム・ポッター

あらすじ
主人公は亡くなった身寄りのない人たちの葬儀を執り行う地方公務員のジョン・メイ。
彼はけして事務的に葬儀を執り行うのではなく、
出来る限りの礼を尽くし、敬意をもって死者を弔う。
(宗教に合わせての葬儀や数少ない資料から故人の歴史を振り返る贈る言葉を書いたり)
しかしこれはあくまでも仕事。効率が悪いことを理由にジョンは上司に解雇を言い渡され…。、


葬儀は亡くなった人のためではなく遺族のためのものとよく聞きますが(作品の中で登場人物の一人も言っていた)
でもやっぱり葬儀は死者のためのものであり、すべての死者に敬われて見送られる権利があるのではないか
孤独死したのは自業自得なのかもしれないけれど、その命で以って業を清算できるのではないかと、決して親子関係は良好とは言えなかった父を5年前に見送った私は思うのです。

作品はジョン・メイの規則正しい生活、粛々と行う弔いによって淡々と進められていきます。それがある日、この世の非情さを呪わずにはいられないくらいの悲しい出来事に見舞われます。

しかしラスト1分間に奇跡が起きます。この1分間のために私はここにいたのだなと救われた気分になりました。

久しぶりに心が洗われるような作品に出会えました。
世界を揺るがすような残酷な事件が起きている昨今、みんなに見て貰いたい。
「おみおくりの作法」は「生きるための作法」
一人一人が他人を敬う。当たり前のことで誰もが平和で幸せに暮らせる世界になれるのに。


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